Custom Yacht Project
ー カスタムヨットプロジェクトー




デッキ


実は、オーナーのご希望でオリジナルデザインから、デッキを低くデザインをやり直して
もらいました。それに伴ってデッキ周辺の立ち上がり、ブルワークも下げた為、クリートを
ポップアップクリートとして、ブルワークに設置という提案でした。



ポップアップクリート


これはこれで問題は無いのでしょうが、オーナーの希望で、ブルワークにロープ通す穴
(フェアリード)を設けて、そこを通して、固定クリートに結ぶとの要望で、そのスペースの
為にブルワークを5cm上げて、楕円形のフェアリードを設置、バウとスターン、それにミ
ッドシップに2個づつと固定クリートを設置する事にしました。日本は台風も多いですから
しっかりと係留できるようにしておきたいというオーナーからの指示でした。



フェアリード


デッキにはオーナーのご希望でチークを張る事にしました。全体的にクラシックな雰囲気
がさらに強調されます。チークデッキは手入れが大変になるとの事で、これを避ける方も
多いのですが、オーナーはそのメインテナンスも楽しんでやりたいとの事。適切にやれば
難しい事では無いし、メインテナンスをも楽しむからこそ、ヨットをきちんと維持できる
様にもなります。




こんな感じになります。コクピットのクッションは設置しませんので、
チーク張、それにコクピット中央にはフォールディング式のコクピット
テーブルを配し、その後面下側にGPSを設置します。


さて、次はインテリアです。基本的にPC55と品質は同じにしてもらいますので、特段の
注文はレイアウト以外は無いのですが、キャビンのフロアーを良くあるチークのストライ
プでは無く、ちょっと変えてもらう事にしました。




キャビンのレイアウトやソファーの柄等は異なりますが、キャビンのフロアーや木の造り
天井やキャビン上部側のホワイトペイントは、こんな明るい感じです。ここにもトラディシ
ョナルとモダンの融合的な感じがします。また、ハルの小さな固定窓を片舷に二か所づ
つ、それにギャレーのストーブの上に使わない時の蓋とか、細かな処も加えています。





様々なレイアウトが考えられますが、メインサロンを前側にし、ギャレーは後部側、ここから
なら、メインサロンにもコクピットにもサービスがし易い。右舷側はチャートテーブルです。 
最近ではチャートを広げる事は、なかなか無いかもしれませんが、机があると、ちょっといろ
んな事ができる様に思えます。


後部側にはキャビンをふたつにする事もできましたが、そう多い人数で泊まるという想定は
せずに、右舷側にはコクピットからの大きなロッカーを確保する事にしました。


さて、これで全て完了という事では無く、実際に建造過程を訪問し、変更する部分も出てく
ると思います。そこがカスタムのカスタムたる所以です。図面で解る処と、実際に見て判断
する処があります。


その他、オートパイロット、計器類、GPS、AIS、どこに設置して、具体的にどう操作するか
その他、細かな部分は多岐に渡ります。最初の図面が出てきて、ここまでに丸三か月、ここ
ではかなり省略して書いていますが、その間、多くのやり取りがありました。ああでも無い、
こうでも無い。でも、そこがカスタムの面白い処、オーナー自らが建造に参加する事による
面白さがあります。これから、建造過程において、まだまだ出てくると思います。


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